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音楽鑑賞教育Q&A相談室

ARCHIVE

このコンテンツは月刊「音楽鑑賞教育」掲載記事のアーカイブです。執筆当時の時代背景、表現、考えに基づいた記事であることをご了承の上、ご利用ください。記事に対するご意見やお問い合わせは音鑑事務局にお願いします。

質問

【Q3】子どもがめあてをもって音楽を聴くための適切な発問と、身体反応のさせ方を具体的に教えて下さい。

回答者・掲載号

粟飯原喜男(埼玉県川越市立芳野小学校教諭:執筆時)/月刊「音楽鑑賞教育」2006年8月号掲載

回答

低中学年で「乗り物の様子を想像しながら聴く」という活動です。鑑賞曲は、ヴィラ・ロボス作曲の『トッカータ』(カイピラの小さな汽車)。最初の発問は、「これから聴く音楽は乗り物が走る様子を表わした音楽です(陸を走る乗り物ですと限定しておく)。よく聴いていると乗り物の様子が浮かんできます」。そして、次の発問が子どもの反応を見取るポイントにもつながります。「曲が聴こえている時に想像した乗り物が浮かんできたところでパッと手を挙げてください」。そうすることで一人ひとりの音楽への反応を観察することができます(挙手による身体反応)。乗り物の反応が出た2回目の鑑賞は、「自分の想像した乗り物は、曲のどの辺でそう思ったのか。今度はその思ったところで手を挙げてください」と促します。教師は子どもの反応をよく見ながら、“S君の汽車という答えは、曲の出だしに聴こえていた汽車の音でそう思ったのか” ということがリアルタイムで伝わってきます。その他テンポやリズムの動き、楽器の音色などからと意見が出されます。ここでは、挙手や発言ができなかった子にも、「○○さんと同じように思った人」と発言し挙手させるといいでしょう。汽車を想像しなかった子にも、曲の出だし(30秒程)を何回か聴かせ音楽的要素と結びつけ、“ああ、そうなのか!” と思わせていくことも大切です。

いずれにせよ子どもが鑑賞曲に興味をもって聞くための効果的発問や、身体反応の方法を考えていきたいものです。

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