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2005年 第3回 新・冬の勉強会 報告

 平成17年12月26日~27日の2日間、第3回「新・冬の勉強会」が行われました。年末の忙しい時期にもかかわらず、全国各地からたくさんの方々が参加されました。また、今回のレクチャーコンサートは、音鑑としては初めてJAZZを取り上げました。

日時 平成17年12月26日~27日
会場 国立オリンピック記念青少年総合センター
主題 これからの音楽科教育を考える

日程と内容は次の通りです。(以下、敬称略)

I JAZZレクチャーコンサート 

渋谷毅オーケストラ

 JAZZというのは、A-B-AとかA-A-B-Aとかの、単純な構成のテーマを繰り返し、その上で演奏家が順にアドリブを加えていくという、いってみればそれだけの音楽なので、ツボを押さえればどんな曲でも聴ける、わかるものです、といった楽しいお話を挟みながら、デキシーやエリントンのスタンダード・ナンバーからウェザー・リポートばりの斬新なオリジナル曲まで、JAZZ史を彩るさまざまな音楽のスタイルを次々に披露。順にソロを取る各パーソネルのすばらしい妙技に、会場の音響効果の不備も忘れるくらい、ノッてしまいました。参加者からは「JAZZを生で聴いたのは初めてで感動した」「お互いが感じ合いながら作り出す音楽を肌で感じることができた」など、皆さんJAZZの魅力を堪能されたようです。

II 講演「学校でなければならない教育とは」

辻村哲夫(東京国立近代美術館長)

 なぜ義務教育があるかというと、それが目指そうとしていることは一定レベルの教養、知識、技能を身につけること(縦軸)と良い社会人を育成すること(横軸)であり、それによって個人として自立して豊かに生きていけるとともに、それが国家として社会の発展につながると考える。さらに縦軸は短時間で身につくものではなく9年間をかけて身につけるもの、また横軸は総合的な教育活動で身につけるもの、この縦軸と横軸を掛け合わせた面積の部分を義務教育では育てようとしている、と話されました。

III 研究開発部会 研究報告「音楽科教育の内容の連続性・発展性と指導計画の立て方」

音鑑研究開発部会:川池聰、伊藤俊彦、相澤宏一

 小中学校9年間の連続性・発展性という観点から学習指導要領の内容を分析し、音楽科で子どもに何を育てるのか、どの程度身につけさせるのかを「学習内容の要素」で示し、「学習内容の要素」を身につけさせることが「生きる力」にどうつながるのかを提案しました。
 さらに、この「学習内容の要素」を活用して、各学校の実態に合わせて年間指導計画が作成できるように、研究委員の経験を盛り込んだ年間指導計画作成の方法およびサンプルを提案しました。

助言 大熊信彦(文部科学省教育課程課教科調査官)

 「学習内容の要素」を示し、「生きる力」との関連を図ったことに対しては研究の成果として評価できる。年間指導計画作成の具体的な手法については、説明を聞かなくても分かるようにもう少し検討を重ねて欲しい、という指導をいただきました。そして、音楽科としては音楽が醸し出す美しさを感じ取る能力を身につけさせることが大切であり、「聴く力」があらゆる音楽活動の基礎となり、したがって「音楽の感受」を大切にした題材構成が必要である、と話されました。

IV 提案「最新機器活用:視聴覚機器を活用したこれからの授業」

 ポイントは電子黒板で、画面に映し出した資料に何でも書き込める、そのまま保存できる、また画面をタッチするだけでCDやDVDを再生でき、ディスクのかけかえやリモコン操作から開放され、いつも子どもを見ながら授業が進められる最新視聴覚機器として紹介されました。また、この機器を使った音楽科授業の可能性を財団としても研究するとともに、参加者の先生方のアイディアもお寄せいただきたいと呼びかけました。

V 講演「音楽を聴くことの大切さ」

高須一(文部科学省教育課程課教科調査官)

 その楽曲のもつ「音楽の固有性」だけを教えるのではなく、その音楽の原理(音楽のよさや美しさを支えるポイント)を教えることによって他の音楽にも応用できるように指導して欲しい。そのためにも教材曲を聴きこむこと、また楽譜を見ることも是非実行して欲しい。また、「音楽的な感受」を一番大切に指導したいが、単に音楽の要素を教えるのではなく、そこには音楽の知的理解と感性的理解が相互に関わるように扱って欲しい。「聴く力」はすべての音楽活動の原点であるが、学校教育の特性を生かし、集団の中で聴き合うことを大切にして欲しい、ということを実際に音楽を流しながら話されました。

VI 指導普及部会公開指導「音楽鑑賞指導の実践」

音鑑指導普及部会:粟飯原喜男、中島寿、山崎正彦

 小学校低・中学年部会、小学校高学年部会、中学校部会に分かれて、「子どもを惹きつける授業とは」というテーマに添って、どのようにしたら子どもを音楽に惹きつけ、指導のねらいが確実に身につく授業ができるか、その発問の仕方・タイミング、指導の組み立て方、音楽の聴かせ方などを、良い例、悪い例を示すことによって実際に体験していただきながら事例を提案しました。

講演 音鑑指導普及部会:渡邊學而

 3つの会場に分かれて示された「鑑賞指導の基本的な考え方」と事例をまとめた上で、各会場の事例で使われた教材曲を取り上げ、音楽には1つの切り口ではなく、たくさんの切り口があること、その切り口からいろいろな方向に発展できることをいくつかの例を挙げ、実際に音楽を聴きながらお話しされました。

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