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電子黒板活用報告
「電子黒板活用のポイント」

和歌山県和歌山市立伏虎中学校教論 実宝欽也
(月刊「音楽鑑賞教育」2010年3月号から)

 2005年の音鑑冬の勉強会に参加したとき、「Web & 最新機器活用提案視聴覚機器を活用したこれからの授業」の講演で初めて電子黒板を目にして、大画面による迫力ある映像はもちろん、その多様な機能に驚き、いつか自分の授業でも使えればと思った。その後、運良く電子黒板を使わせていただけることになり、鑑賞や器楽の授業で活用することができた。まだまだ使いこなせている状態ではないが、私が使用して感じたことを述べてみたいと思う。

ペン機能の活用

 画面上のオーケストラやその中の楽器を指示する時に、DVDをパソコンのメディアプレーヤーで再生、電子黒板で表示して視聴することにより、映像の上からペン機能を使って書き込んで示すことができる。日頃オーケストラの楽器をあまり目にしたことのない生徒にとっても、旋律を演奏している楽器がどの楽器かはっきりわかり、「ボレロ」の鑑賞では、よく理解させることができた。また、何回も繰り返される旋律が、今何回目を演奏しているのかを数字で画面上にリアルタイムに書き込むなど、演奏を見せながら図や数字を直接画面上に示すことで、生徒がわかりやすい授業を行なうことができる。

「ボレロ」鑑賞授業風景


他ソフトの活用

 教育芸術社の教科書に掲載されている「打楽器のための小品」(黒沢吉徳作曲)のリズム打ちの練習では、楽譜作成ソフトウェアを使って作成した楽譜を電子黒板に表示した。
 楽譜作成ソフトウェアの再生機能を使うと、6つのパートそれぞれの音を出しながら楽譜を示すことができる。生徒の理解、上達が早いうえに、再生するパートの選択ができるため、すべてのパートを同時に鳴らすとどのように聴こえるのか、パートの組み合わせによってはどのような聴こえ方になるのかなどを確認させるのにも有効である。また、途中のパートの掛け合いや、強弱などの表現なども、楽譜を見るだけでなく音を聴きながら工夫できる。
 電子黒板を活用することにより、教師がソフトウェアを画面上で操作できるので、全員が同じ楽譜に集中でき、自分のパートと他のパートの関係や、表現がうまくいかなかったところを示す時に、全員が共有することができて理解させやすかった。
 また、リコーダーの指導では、パート別に楽譜を電子黒板で示すことで、全員が同じ楽譜を見ながら練習できるので、個々に譜面台を使用せずに、能率良く指導することができた。

全員で楽譜を共有できる


楽譜を提示した指導における課題

 このような楽譜作成ソフトウェアでは、リコーダー二重奏の楽譜を電子黒板で示すとき、全てを一つの画面で示そうとすると楽譜が小さくなってしまうので、半分ずつに分けて示してたが、通して演奏する時には続く楽譜に切り換える必要がある。また、「打楽器のための小品」を全曲通して演奏する時も6パートすべてを表示すると、4小節ずつ画面を転換していくことになった。つながりのある楽譜の提示がスムーズにいくようにすることが、今後音楽科で活用していく上で重要な課題になると思われる。


 従来の黒板に代わって電子黒板だけで授業を進めるのでなく、両者の長所をうまく生かすことが大切である。さらに、楽譜作成ソフトウェア以外にも、ONKANウェブネットからダウンロードできる「授業支援ツール」や、「Microsoft® Powerpoint®」に代表されるプレゼンテーションソフトなどを活用して、教育効果を高めていきたいと思う。


※Microsoft、PowerPointは、米国Microsoft Corporationの、米国、日本およびその他の国における登録商標または商標です。

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