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電子黒板活用報告
「私の電子黒板活用例」

東京都東村山市立東村山第四中学校教諭 勝山幸子
(月刊「音楽鑑賞教育」2009年11月号から)

 百聞は一見に如かず。教師の口頭での細かな説明を聞くよりも、実物や映像等の資料を用いた方がよくわかる、ということがあります。例えば三味線という楽器を言葉のみで説明するよりも、実際に楽器を見せて音を出しながら説明した方が生徒はよくわかるというように…。
 文化にふれるという教科の特質から、音楽科の授業で扱う話題は実に幅広く多岐にわたります。音楽に関連するいろいろな話題に生徒が興味や関心をもった瞬間を逃さず、実物や映像等の資料を活用して生徒にわかりやすく示すことは大切です。

活用例1

 尺八音楽『巣鶴鈴慕(鶴の巣籠)』の鑑賞の授業では、豊かな尺八の表現を味わうとともに、昔からの日本人と鶴との深いかかわりなどにもふれ、尺八音楽と日本の文化とのかかわりを感じ取ってほしいと思い授業を行なっています。そのなかで、鶴の親子の様子を音楽から想像する学習活動を行ないますが、その際、鶴について短時間で説明する必要が生じます。
 鶴を知っているかどうか生徒に聞いてみると、動物園やテレビで見たことはあるが鶴の鳴き声は聴いたことがないと答える生徒が大多数でした。そこで、電子黒板を使って、インターネットからパソコンにダウンロードしておいた鶴の映像、写真、鳴き声を生徒に紹介すると、生徒の目と耳は電子黒板に釘付けでした。
 次に「“鶴”と聞いて思い浮かべることは?」と質問すると「昔話の『鶴の恩返し』」「千羽鶴」など若干の反応はありましたが、日本人と鶴との関わりについての知識は浅いようです。そこで“ご祝儀袋”等日本のお祝い事に欠かせない鶴の飾りを例に挙げ、なぜ鶴が結婚のお祝いなどに登場するようになったのかについて説明すると、生徒は興味深く説明を聞いていました。
 鶴の生態や日本人とのかかわりを知ることにより、生徒はこの後の学習活動(鶴の親子の様子を音楽から想像する)に興味・関心をもって臨み、知性と感性を高めて音楽を感じ取ることができます。電子黒板とパソコンを使うことにより必要な情報を短時間で提供することができました。

活用例2

 授業の終盤で『巣鶴鈴慕』全曲(約14分)をCDで聴きながら批評文を書きます。この時、鶴の写真(5枚ほど)をスライドショーに設定し、黒板脇に設置した電子黒板で映しました。生徒は音楽を聴きながら、電子黒板の大画面に映し出される鶴のスライドショーに目をやったり、黒板の板書や手元の学習カードを見て本時の学習を振り返ったりしながら、落ち着いて鑑賞していました。写真を用いた理由は、鶴が飛ぶ映像を映すと動きに目を奪われてしまい、音楽に集中することの妨げになると考えたからです。その点、数枚の写真を繰り返し映すスライドショーであると、不思議に落ち着いた空間をつくりだすことができます。全曲を聴く約14分間、教室に尺八音楽が響く中『巣鶴鈴慕』の世界に入り込んだかのように静かに耳を傾ける生徒たちとの素敵な時間が過ぎていきました。このような教室空間の演出も大切な指導の工夫のひとつだと思います。


 学習に必要な情報を生徒に伝える方法にはさまざまな形態があり、それぞれに長所・短所があります。電子黒板、学習カード、プリント資料、黒板、ホワイトボード、CD・DVD等の視聴覚機材、パソコンなど。それらの活用という観点からの授業改善を、今後さらに研究していきたいと思います。

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